同神社は637年に鎮座。氏子総代の田中幸夫さん(73)によると、一夜で田畑にキノコが生え、凶作に悩む住民を救ったという伝承が残る。明治時代に菌神社という名称になり、近年は「キノコの神様」として県外のキノコ生産者が参拝し、乳酸菌の研究者なども訪れるという。
約20年前までじゃこずしには、近くのため池で取ったタナゴ類の小魚を使っていたが、池が汚れて小魚を確保できなくなり、市販のワカサギに変更した。
塩漬けした約3キロのワカサギを白米と10日間漬け込む。はらわたを取らずに漬け込む製法は変わらず、ふなずしより酸味が弱く、食べやすいという。田中さんは「発酵にゆかりある菌神社で大切に作り続けてきたじゃこずしを味わってほしい」と話す。