九州北部豪雨から5日で5カ月。大きな被害を受けた福岡県東峰村の「宝珠山きのこ生産組合」では、冬の鍋シーズンを迎えシイタケの出荷が最盛期だ。
同組合理事の川村倫子(ともこ)さん(38)は、自宅とシイタケの菌を着床させるブロックを作る建物が裏山の土砂崩れで全壊し、今は両親と仮設住宅に住む。シイタケを育てるハウスも2メートル弱冠水した。停電で空調が利かず、従業員も被災し、収穫できないシイタケは腐ってしまった。土砂を取り除き、8月末に仮復旧し出荷を再開した。冬場のピークまでに菌床ブロックを作る機械も修理できたが、例年に比べ6、7割ぐらいの出荷にとどまるという。
卸業者や顧客から「待ってるよ」「応援するよ」と電話やメールで励まされてきた川村さん。「待っててくれる人がいることが励み。なんとか間に合い、ホッとしてます」。シイタケは食物繊維が多く整腸作用もあり、「風邪をひきやすい季節にたくさん食べてほしい」と話す。年末までフル稼働の日々が続く。