きのこの研究開発や普及拡大にとりくむ日本きのこセンターグループの菌興椎茸(しいたけ)協同組合(鳥取市富安1丁目)は、半日ほどかかるとされる干しシイタケの戻し時間を15分に短縮する新製法を開発した。うまみ成分が増え、敬遠されがちなシイタケ臭も抑えられる製法という。同組合では、地元鳥取をはじめ東京や京都の生協で7月に始める販売を皮切りに、全国展開していきたいとしている。
同組合の下田秀一組合長によると、干しシイタケの全国の生産量は1990年ごろは1万トンを超えていたが、近年は3千トンを下回る。生産者が減少傾向にあることに加えて、水戻しに時間がかかることなどからカツオや昆布のようにだしとして利用される機会が減ったとみられ、乾物専門店で取り扱われる種類が少なくなっているという。
新製法の開発は、干しシイタケの置かれた厳しい状況を打破すべく約3年前に始まった。お湯や電子レンジなどで簡単に戻せることや、傘の裏の色といった見た目よりもうまみを重視することを目標にした。