宝石やキノコのような形をしていることもあれば、アメーバのように地面をはい回る時もある――。そんな不思議な生き物が変形菌だ。頭も手も無く、「粘菌」と呼ばれることもある。餌を探す動きが人工知能やロボットの研究に応用できる可能性があるとして最近注目されている。
公園など身近な場所にも生息している。大きさは、胞子をつくる際にできる「子実体」でも1~2ミリ程度で、落ち葉や切り株など足元を注意深く観察する必要がある。
日本自然保護協会の自然観察指導員を務める写真家の高野丈さんは「今年はジクホコリの当たり年でした」と話す。世界で約1千種が知られるうち、国内では半分の約500種が確認されている。実は日本は知られざる「変形菌大国」だった。