実りの秋を迎え、キノコ狩りを楽しむ人も増える一方、毎年この時期は毒キノコによる食中毒が多発している。今年は今月1日までに12件発生し、三重県では70代男性が死亡した。素人が食用のキノコと見分けるのは難しく、消費者庁は4日、注意を呼びかけた。
厚生労働省によると、2012~17年に毒キノコの食中毒は214件発生。患者数は608人で、そのうち1人が亡くなった。自分で採るだけでなく、知人がくれたのが毒キノコのケースもあった。食中毒が最も多い毒キノコはツキヨタケで、食用のシイタケやヒラタケ、ムキタケと間違えるケースが多い。食後30分~1時間以内に、嘔吐(おうと)や下痢などの症状が出る。
消費者庁の岡村和美長官は、「図鑑と見比べるだけの素人判断をしないことが大切。少しでも不安がある場合は、専門機関や保健所に相談してほしい」。もし食べた後に体調が悪くなったら、すぐに医療機関を受診することを勧めている。