いわき市小川町で日本固有のトリュフ「ホンセイヨウショウロ」が見つかった。発見したのはいわきキノコ同好会(冨田武子会長)で、トリュフなど地下生菌を研究している森林総合研究所九州支所森林微生物管理研究グループの木下晃彦主任研究員の鑑定で、ホンセイヨウショウロと確認された。木下氏によると、発見は宮城県や大阪府などに続き全国7府県目という。
木下氏によると、ホンセイヨウショウロは地中や地表近くで成長するため、発見が難しいという。同市ではこれまで黒トリュフが見つかっている。
冨田会長によると、会員が昨年10月6日に、イノシシによって掘り荒らされたとみられる林道で4センチほどの大きさのキノコを発見した。淡い黄土色で、石のような形をしており、断面は大理石のような模様だった。ナッツやガーリックのような香りがしたという。冨田会長が顕微鏡で観察して図鑑で調べると、セイヨウショウロ属の可能性があったため、木下氏に鑑定を依頼した。
林道に人が落としたことなども考えられたため、冨田会長らは翌11月に同じ場所を訪れて探すと、一回り小さいキノコを見つけ、再び木下氏に送った。このキノコもホンセイヨウショウロだった。冨田会長は「まさか見つかるとは思わなかった」と驚きつつも「地下生菌の研究を視野に観察会をしたい」と笑顔を見せた。