マイタケやエリンギ、シメジなどを生産する雪国まいたけは2019年10月1 日に、マッシュルームの生産を手がける三蔵農林(岡山県瀬戸内市)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。
三蔵農林は土つくりから一貫生産を行っており、「ミツクラ」ブランドの知名度は高い。三蔵農林が持つ生産能力やノウハウと、雪国まいたけの生産技術や販売力を融合することで、事業領域の拡大や成長スピードの加速を目指すという。
三蔵農林の子会社化でキノコの生産規模が拡大する雪国まいたけは、これまでも活発なM&Aで業容を拡大してきた。
活発にM&Aを実施
雪国まいたけは1983年に設立され、同年からマイタケの生産販売を始めた。7年後の1990年には大平もやし店の営業権を譲り受け、モヤシの生産販売を開始。さらに1998年にはトータクを子会社化し、加工食品の製造販売に進出した。
2019年にはタカラバイオから本シメジと、ハタケシメジを生産する瑞穂農林と、ブナシメジを生産する、きのこセンター金武の全株式を取得し子会社化することで、生産規模を拡大した。
この間にもM&Aとのかかわりは多く、2004年にゼネラルバイオフーズが平成興業と合併し、雪国バイオフーズに商号を変更したほか、雪国バイオフーズについては2016年に株式をサラダコスモに譲渡した。
雪国まいたけ自体のM&Aも活発で、2015年に投資会社ベインキャピタル系のBCJ-22の完全子会社となり、東京証券取引所市場第二部での上場を廃止し、同年にBCJ-22を存続会社として同社と合併し、雪国まいたけに商号を変更した。
さらに2017年には株式の51%をベインキャピタルが、49%を神明が保有。翌2018年にベインキャピタル系のBCJ-28を存続会社として同社と合併し、雪国まいたけに商号を変更した。
2019年3月期の売上高は313億4000万円、営業利益は45億3600万円と業績は好調だ。キノコとともに育ってきた雪国まいたけは、今後も成長を続けそうだ。