今秋、和歌山県内の山中で、多彩なキノコが発生している。日高川町の山中では非常に珍しい南方系のアカイカタケ(スッポンタケ科)が見つかった。一方、毒性の強いキノコもある。田辺市龍神村では近年死亡例が報告されているスギヒラタケ(キシメジ科)が白いかさを広げている。
アカイカタケを見つけたのは田辺市芳養町、会社員北村大介さん(46)。台風の災害復旧で木を伐採していて、今まで見たことのない物体が地面から生えているのに気付いた。真っ赤でタコをひっくり返したような形をしている。触手のようなかさは直径20センチほど。
北村さんは「はじめはプラスチックやゴム製品かなと思った。イソギンチャクのようで、触ったらまずいと感じた」と話している。翌日には触手の部分がなくなっていたという。
一方、スギヒラタケは龍神村龍神の護摩壇山森林公園などで多く見られる。スギなどの切り株や倒木に発生し、かさが2〜6センチの扇形の真っ白いキノコ。以前は普通に食べられていたが、2004年以降、スギヒラタケを食べたことが原因と考えられる急性脳症などの病気が多数報告された。死亡例もある。今は農林水産省も安全が確認できるまで食べないように呼び掛けている。